競艇(ボートレース)のスタートの強い選手や、競艇場のスタートの特徴を知る
▼ 競艇(ボートレース)のスタートの強い選手や、競艇場の特徴を知る
競艇ボートレースで「スタート」は大事なファクター
競艇「3つのファクター」のひとつ「スタート」について
競艇ボートレースにおいて大事なファクターは大きく分けて3つあるあると言える。それは、スタート力・ターン力・整備力
この3つのうち、1つが優れていればA1級、2つが優れていれば記念級(G1級)、3つとも優れていれば超1流の選手になれると言われており、もちろん現在トップで活躍している選手は、この3つの能力どれをとっても素晴らしいということは言うまでもない。
その中でも次の表を見て欲しい。↑スタートが着順に大きく影響する競艇
スタート順1位の1着率は 33%もあることがわかる。
またこのスタートの良い選手がどれだけの勝率をあげているのか調べると、3回に1回は、トップスタートを切った選手が勝利している。
この「事実」を知ることで競艇ボートレースにおいて、どれだけ「スタート」が大事なのかが分かる。
競艇予想サイト(ボートレース予想サイト)で予想をしている予想家が、どこまでココに注目していて、最新の情報を抑えて競艇予想に活かせているかわからないが、競艇ボートレースで予想をするなら「スタート」はとても大事なファクターだ。
そこで今回は、この「スタート」について掘り下げて書いていきたいと思う(2019年 1月時点)。フライングには厳しい競艇ボートレース
競艇ボートレースのフライングとは
「競艇のスタート」がどのようなものか、そもそも水上でどのように「公平」にスタートが出来るのか?…そういったはじめに持つ「疑問」に対する回答は「競艇検証.com」のサイト理念の「知っておいた方がいい競艇(ボートレース)のルール」の中に書いてあるが、ここでも改めて書くと、競艇では水面で止まって待つことができないので「フライングスタート方式」になっている。
「1秒以内」にスタート地点を通過しなければならず、競艇は「フライング(F)」にはとても厳しい。
また逆にフライングにビビって遅れてもアウトだ。1秒以上遅れると「出遅れ(L)」となり、欠場扱いになり、その場合舟券を買っていた客には舟券全額払い戻しになる。
その場合「フライング(F)」または「出遅れ(L)」を除いてオッズも再計算されるわけだが、発売締め切り時点で100倍超えた大穴が出ても、レース着順が確定した後の払戻金では、その半分以下になってしまうことも珍しくないので、客は激昂し、言葉汚く罵っているのを度々見かける。競艇ボートレースのフライングの罰則について
先ほども「競艇」は「フライング」にとても厳しいと書いたが、フライングした選手はただ「欠場扱い」になるだけでなく、私が知る限りどの競技よりも厳しい「罰則」がある。
フライング(F)1本目は30日ものあっせん(出場)停止となり、同じ期のうちに2本目のフライングを切れば、60日間のあっせん停止、つまり1本目の30日間に加算されて合計90日間のあっせん停止となり、この間、競艇選手は収入が無くなってしまうのだ。
だからフライングの多い新人選手にとって「フライング」は死活問題で、新人競艇選手に実家住まいが多いのはこういうのもあり、出場停止になっている間にバイトをしている選手も多い。
また、新人には関係ないがG1・G2優勝戦でのフライングをした場合は更に「罰則」は厳しくなり、出場辞退期間消化後もまだペナルティは続き、なんと6か月間もG1・G2選出除外されてしまうのである。
これは「事故防止」と、もうひとつはもし、フライングがハズレ(失格)扱いになるだけなら、人気を背負った選手が「故意」に速いスタートを切れば大穴を出すことができてしまうから、重賞で更にフライングが厳しくなっているのは「八百長防止」という目的もある。平均スタートタイミングの「変化」が起きている
競艇ボートレースのスタートタイミングについて
話を「スタート」に戻すが、競艇の「スタート」には「スタートタイミング」というものがあり、ピットアウトから艇が動き出し、どの競艇場でもスタンド中央の水面寄りに設置されている「大時計」(正式名称は「発走信号用時計」)の針が、12時の位置を指した時がスタートの時間となる。
因みにこの競艇場に必ずある「大時計」は、スタートライン手前40mラインの中央を向いており、直径も3m以上と決まっている。
どの選手もスタート2分前を知らせる2分前表示灯と、1回転1分の白針、1回転12秒の黄針を目視し、後は自分の感との勝負になる。
このスタートまでの「数字」が少なければ少ないほど「スタートが速い」ということが分かる。
競艇予想をする上でも各選手のスタート技術を知ることは重要なことで、そのスタートタイミング(略してST)を平均すると、その選手の平均STが分かり、各選手の「スタート力」というのも分かる。競艇ボートレースで起きてるスタートタイミングの「変化」
そしてこの「ST」で面白い「変化」があり、注目されているのが全選手の平均STを集計するとわかる、ここ20年間の「変化」だ。
簡単に言ってしまえば、この20年間で随分と「速くなっている」のである。
"マク—ル2019年2月号"にそのグラフが載っていたのだが、年々速くなっており、20年前よりもコンマ05も速くなったのだ。↑競艇全選手平均スタート返還図
なぜ、こんなに速くなったのか?
ちょっと調べてみると、やはり第一に「選手の技量」が向上したという事が大きいようだ。
それともう一つの重要な要因が、選手の技量と同時に、モーターの精度もこの20年で飛躍的に向上しており、ちょっとスロットルを緩めても(ボートにはブレーキがないので、アクセルを緩めることで速度を調整している)すぐに全速に戻すことができ、その結果STが合わせやすくなったというのだ。
この2つの要因の他にも、2002年から導入された「スタート展示の導入」もスタート技術の向上に繋がることになった。レース前にコースやスタートを来客に見せ、予想しやすくしてもらおうというサービスなのだが、選手としてもレースの30分程前にスタートの練習ができるので、気象条件とか風向きとかも含めて参考にできるのでフライング数もこれによって減少した。
また、個々の競艇場における「スタート特訓の回数の増加」なども技術向上の要因と考えられる。
これは新人だけのものではなく、その節に参加している選手に対して「スタートの練習をしてもらう」ことなのだが、例えば9Rの発売中に水面で、12Rに出場する選手6人にスタートを練習してもらうようなことで、参加しない選手もいるが、どの選手も良いスタート切りたいので、参加する人は多い。
施工者としては、選手にフライングをされると、返還しなくてはならず、売り上げが下がるため、こういった特訓を推奨しているのだろう。
全選手の平均STは 0.22から 0.17まで速くなっているのが現状だ。スタートしやすい競艇場とは?
一概に「スタート」といっても、全国には24競艇場があり、その競艇場ごとにスタートがしやすいところもあれば、しにくいところもある。
その差はどこから生まれるのだろうか!?
要因は次のようなことが考えられる。
・目標物があるかどうか
・風向きやその強さ
・潮の干潮
・うねりなどの流れ
・季節や自然状況
・水面の形状
・ハレーション(西日)全国のスタートしやすい競艇場はどこ?
では、具体的にどの競艇場がスタートがしやすくて、どの競艇場がしにくいのか。
スタートしにくい競艇場のトップは、何といっても江戸川競艇場だ。
「江戸川競艇場」がスタートしにくい原因は、全国の競艇場の中で、唯一河川のコースを使っており、川の流れもあるし、波も高く、風の影響も受けるので、はっきり言って選手を困らすために造ったんではないかと思うくらいの、スタートしにくい競艇場なのだ。
当然スリット隊形(スタート時の隊形)もばらばらになりがちで、慣れている選手じゃないとまともにレースに参加すらさせてもらえない状況もあるくらいだ。
あともう1場「スタートしにくい競艇場」を挙げるとするならば、九州の若松競艇場だろう。
江戸川に並ぶくらいの、フライング多発の競艇場で、その原因は潮の影響と、西日による影響と思われる。
夕方には西日によって選手が時計が見えない中で、スロットルを緩めず行った選手がフライングを切るといった事が多いようである。
これは酷い。技術云々ではないから、若松競艇場を設計した「九和設計株式会社?」の責任か?
逆にスタートしやすい競艇場はどこだろうか?
それは多摩川競艇場だろう。
日本一の静水面と言われるくらいで、一年を通して風もあまりなく、波も立たないので選手はフライングぎりぎりの際どいスタートが揃うことも多く、スタートしやすい競艇場なのである。
最後に自分の競艇をする人、また競艇予想サイトを使う人でも、可能であればスタートしやすい競艇場ならば別だが、しにくい競艇場の舟券を購入するときは、その選手が地元であるかどうか、もしくは好相性を残している水面であるかをチェックしてから舟券買う方がいいだろう。
こういった「特性」も理解した上で買い目を提供できている競艇予想サイトは、今のところほぼ無く、見解自体書けてる予想サイトもほぼ無い現在の競艇予想サイトの中で「特性」も踏まえた上で、見解を書けている予想サイトは、数少ないので利用者はよく自分の目で見極めてほしい。競艇ボートレースのスタート巧者はコイツらだ
スタートのことをこれまで書いてきたのだが、現在のボートレース界におけるスタートが際立って速い選手、「スタート野郎」を紹介したい。ロケットスターター瀬尾達也選手
まず「スタートといえばこの人」と名前が挙がるのが、年齢58歳(2019年 1月時点)の瀬尾達也競艇選手だ。…この選手、全選手平均が今よりもっと遅かった時代から、平均ST 0.11くらいを記録したのだから、スタートモンスターだ。
あだ名が「ロケットスターター」と言われていたくらい、スタートだけは抜群に速かった。だが残念なのがターン力と整備力は普通くらいみたいだから、冒頭に書いた「3つの大事なファクター」は揃っていない(笑)
…普通の会社員だともうすぐ定年を迎えるような年齢で、動体視力も鈍ってきそうなものだが、今でも十分早く、過去形ではなく、現在進行形の瀬尾達也選手だ。↑ロケットスターター瀬尾達也 フライングしない男、菊池孝平選手
次に2019年 1月時点で競艇界(ボートレース界)のトップにいて、抜群にスタートが速いのが、菊池孝平競艇選手だ。
STも平均0.12 あたりと、もちろん速いのだが、なにより菊池が凄いのは、これだけスタートが速いのにもかかわらず、フライングを切らないことである。
これだけのスタートを切っているのに、2015年5月を最後に、もう3年半以上フライングをしていない。
最速でありながらも抜群の安定だ。その間にも、毎年のようにグランプリに出場し続けるというのは速いだけじゃなく、ターン力、整備力ともに艇界でも上位に入るくらいの選手だ。↑スタートも早くフライングもしない、菊池孝平 ターンを練習すればいい山田哲也選手
それともう一人。3人目は山田哲也競艇選手だ。
某野球チームのホームランバッターにいそうな名前だが、この山田哲也 競艇選手は、名前負けしていないくらいスタートが速い。
ここ何年も、安定して平均STランキングのトップ10に入っており、アウトコースからの、スタート一撃のまくりは何度となく目にしたことがある。
もう少しターン力が上がれば、SGやG1の大舞台でも活躍できるだろうと私は思っているので、ターン練習してくれ(笑)↑STランキング10入りの山田哲也
最後に若手、いや新人といった方がいいくらいの「金の卵」を紹介。
愛知支部所属の野中一平競艇選手だ。
記事を書いている時点では、まだデビューしてそんなに年月がたっていないのだが、平均STを0.11〜0.13でまとめており、通算でもST 0.12と非凡なスタート力を発揮している。
ターン力等は、割と努力や練習で向上すると言われているが、残念ながら「スタート力」はほぼ才能と言われているだけに、野中一平選手のこの才能は、やはり今後の競艇界では「注目しがいのある」ものではないだろうか。
…以上のようにスタートのことを紹介してきたわけだが、どうだっただろうか?
これから競艇レースを見るときは、1マークの攻防だけではなく、その1マークに至るまでの攻防にも注目していくと、よりレースの楽しみ方が増えるので、是非とも競艇予想サイト(ボートレース予想サイト)の提供する買い目だけでなく、自分の競艇も楽しんでみるといいと思う。
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