競艇(ボートレース)には不利なのに好んでアウトコース専門の「アウト屋」がいる
▼ 競艇には不利なのにアウトコース専門の「アウト屋」がいる
競艇ボートレースの、アウトコースを専門の「アウト屋」とは
競艇ボートレースはインコースの勝率が高い
競艇検証.comで書いた競艇コンテツで「競艇の1コースの勝率が圧倒的に高いコト」について書き、そのインの勝率データを見て驚いた人もいるだろう。
データにもあるように「競艇ボートレース」を少し知ったなら、インコースがとても強いことは知っているだろうし、そんなに深く考えなくても同じスタートラインから出れば、一番内側のコースを走っているのだから、勝率が高くなるのは当たり前のことである。
…という事は、1つでも内側のコースに入れば入るほど勝つ確率は上がるだろうし、実際、どの競艇選手も入りたいのでコース取りからレースは開始している。「イン屋」と「アウト屋」
競艇では「イン屋」と呼ばれるような、進入争いで果敢に内側を狙いに行ったり、スタートまでの助走距離がどれだけ短くなろうともインコースを取りに行く選手というのは、割と多くいる。
それは、インコースが勝利への近道だと皆知っているからである。
しかし、中にはアウトコース専門で勝負をするといった「アウト屋」が稀ではあるがいる。「アウト屋」はなぜアウトコースに敢えていくのか?
競艇ボートレースで「アウト屋」をやるわけ
どう考えても競艇の1コースの勝率が高いことは周知のことなので、好んで「アウト屋」やってるのが全くもって謎なのだが、「アウト屋」は例え1号艇で出走しようとも、コース争いをせずに、特等席と言わんばかりに6コースにいくのだ。アウト屋になる理由 ①
「アウト屋」やってる理由として挙げられるのは、どの選手も新人時代なら6コースからレースをすることが多いということだし「アウトコースからの練習をする」といった意味もある。
だがソレは新人ゆえにレース展開を読むのもターンも上手くないので、下手にミスなどをして、他艇(先輩)に迷惑をかけないようにする意味で、そうするのが慣習となっている。
普通の選手であれば、ある程度の月日を6コース一本でレースした後に、センターコースやインコースにも進入し始めるのだが、何故か中にはそのままアウト専門になる選手がいるのだ。アウト屋になる理由 ②
もうひとつ挙げられる「アウト屋になる理由」は、6コースはスタートがしやすいという理由からだ。
助走距離も長いので調整しやすいということと、アウト側の標識(スタートラインまでの距離を記してある)まで近いので、タイミングが取りやすいということだ。
普通の選手でもフライングをした次の日からは、6号艇(6コース)の出走回数が増えるのもそのためで、施工者は、金の返還となるフライングをしてほしくないのでそのようにする。
過去にフライングで苦しんだ選手は、自分のタイミングを計りやすいアウトを好む傾向がある。アウト屋になる理由 ③
最後のアウト屋になる理由は、ちょっと分かりいにくいのだが「人間関係」がきっかけとなるケースだ。
競艇のコース取りには、先輩・後輩の上下関係、人脈、進入においての過去の貸し借りなど、様々な要素が絡んでおり、内側のコースを取ろうとすると面倒な駆け引きが発生する。
ゆえに、そんな面倒な駆け引きのない、アウトコース専門になる事によって心理的に楽になり、スタート等に集中できるといったメリットがあるのだ。
以上あたりが、わざわざ「アウト屋になる理由」だろう。代表的な「アウト屋」達
代表的な「アウト屋」を紹介
では近年競艇界の代表的な「アウト屋」を紹介しよう。阿波勝哉
↑3857番(79期)の東京支部、阿波勝哉選手
現在の競艇界の、アウト屋の代表選手と言っても過言ではないだろう。
上の画像見て分かるようにコース進入率が100%、6コースオンリーだ。もぅ「変態」の域じゃないかと言うくらい、阿波勝哉選手にとっては6コース以外眼中にない。
なぜ阿波勝哉選手が6コース以外入ろうとしないのか、その「理由ときっかけ」は前述したように「コース争いが煩わしかったから」だそうで、昔はちゃんと各コースに入っていたそうだが今では「アウト屋」を極め、レーススタイルもチルト角度(ボートにモーターを取り付ける角度。小さいほど出足よりになり、大きいほど伸びよりになる)を、出場する競艇場で許可されている最大の3.0度の角度に設定して、6コースからまくり一撃を放つ、といったのが阿波勝哉選手のレーススタイルとなっている。
「ミスターチルト3度」といったニックネームすらあるくらいだ(笑)(→チルト)小川晃司
↑3352番(62期)の福岡支部、小川晃司選手
アウト屋界の重鎮的存在の小川晃司選手は、上記の阿波勝哉選手が「アウト屋」になる以前から、アウト一本で走っていた選手だ。
しかしレーススタイルは阿波勝哉選手とは違い、チルト3度を頻発することはない。
というのもチルトを上げるのはもろ刃の剣で、伸びはよくなるものの、出足と回り足が全然なくなるのである。
…なので阿波勝哉選手のような「伸び一点のまくり一撃」といった単純なスタイルではなく、スタートで横に構える独特なスタイルをとり、艇界最長の助走距離をとる選手とも言われ出足などもつけてレース道中で捌いてくるといった「捲り差し、差し派」のレーススタイルだ。澤大介
↑3852番(79期)の三重支部、澤大介選手
阿波勝哉選手と同じ79期の澤大介選手は、元々カドからのまくりや、まくり差しを得意とする選手だったのだが、2003年ごろから阿波勝哉選手の影響で6コース一本で勝負するようになった。
阿波と同じように、チルト角度を上げて、内5艇をまくり切る、といったのがレーススタイルだ。
以上が現在代表される「アウト屋」達である。
(追記:2021/01/29)
競艇界のアウト屋3人衆の一人、澤大介だったが、2021/01/18に、突然の「アウト屋引退発表」をした。
発表の場は日頃から親交がある坂口周と、居酒屋?でトークを交えながらのYouTube動画。
アウト屋になった経緯や、アウト屋引退の要因について語るのは、ファンに対してのメッセージだろう。2019年 2月27日、若松12Rで直接対決が実現
アウト屋達が直接対決するとどうなる?
面白いエピソードがある。
2019年 2月27日、アウト屋三人の直接対決があった。→2019年 2月27日 若松12R(YouTube)
まず出走表を見て欲しい。
2月27日 若松12R
1号艇 小川晃司
2号艇 澤大介
3号艇 阿波勝哉
4号艇 赤岩善生
5号艇 今井貴士
6号艇 伯母芳恒
レース結果は、⑤-②-④
どうだろう、この粋な出走表は(笑)
正直レースの結果はどうでもよくて、この3人のコースがどうなるかというのが見物だった。
誰が6コースを取るのか?
6コースを取るための逆コース争いはあるのか??
進入結果はというとアウト屋界の重鎮、小川晃司が6コースに入り、阿波勝哉が5コース、そして澤大介が4コースとなった。
なんでも、アウト屋の仁義は、先輩に大外を譲るということらしいw
同期の阿波勝哉と澤大介は、登番的には澤大介が上だが、阿波勝哉の方が最初にアウト屋になったので、澤大介が譲ったようだ。わざわざ不利なコースを先輩に譲る、といった変な現象がこの日は起きた。
このように競艇界にもかなりレアではあるが、
自ら不利なコースにいく変わり者達がいるというのも面白くないだろうか?
11/14には「デイタイムコロガシ」というコースで、津7R(13.3倍)→津12R(21.0倍)と、2つともわずか4点で転がしを成功させ、16万 5900円の払い戻しとなった!
リアルタイムボートは有料コースの値段の安さが魅力的だ。最近減ったがリアルタイム予想も必見だ。