競艇予想ブログ ボートレース「ミス38位」のボディコン文化はなぜ続くのか?
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ボートレース「ミス38位」のボディコン文化はなぜ続くのか?
競艇界に刻まれたユニークな“風習”──38位の謎とボディコン伝説
競艇(ボートレース)の歴史には、思わず二度見したくなるような独自の“風習”が存在する。そのひとつが、38位選出の選手が、ボディコンの服を着てオープニングセレモニーに登場するという不思議な慣例だ。
この話を初めて聞いた方は、「えっ、38位?」「ボディコン?」と、思わず目を疑うかもしれない。無理もない。通常、競艇の話題では1位選出や優勝戦のドラマなどが注目されるのが常だ。
1位選出の選手がなぜか勝てない、あるいは下位選手が大躍進するといった“あるある”はまだ理解できる。しかし、なぜ38位なのか。なぜ「昭和」のボディコンなのか。
38位という順位は中途半端どころか、普段であれば注目されることのないポジションである。にもかかわらず、毎年この選手にスポットライトが当たる。
そして登場する衣装が、なぜか「ボディコン」。競艇という水上の真剣勝負と、80〜90年代を象徴すファッションとの間に、特別な関連性は見出しにくい。
もちろん、これは競技の成績や技術といった本質とは無関係な話題だが、それでも多くのファンにとっては、レディースオールスターの“恒例行事”として密かな楽しみになっているのも事実だ。
ボートレースの世界が、真剣さと遊び心を共存させていることの象徴とも言えるだろう。
では、この“風習”はどこから始まり、どのように継承されてきたのか。
38位の選手にどんなエピソードがあったのか──ここからは、その知られざる歴史をひも解いていきたい。
38位ボディコンの起源は木村紗友希
この一風変わった競艇の“風習”には、明確な起源が存在する。
はじまりは、2017年に開催された第1回レディースオールスターのオープニングセレモニーでの出来事である。
その年、ファン投票で38位に選出されたのが木村紗友希選手だった。
そして第1回レディースオールスターのオープニングセレモニーで、選出順位38位で登場した木村紗友希が、いきなりボディコン姿で登場し、ミス38位のたすきをかけて登場したのだ。

ファンにとっては完全なサプライズであり、その“尖ったパフォーマンス”は大いに話題を呼んだ。こうして「38位=ボディコン」というユニークな構図が、半ば伝説的に競艇ファンの間で定着し始めたのだ。
その際の木村のコメントも良い。
「腕と勝率はないけど、愛と根性と一芸のあるボートレーサー、ミス38位です。」
この言葉には、プロとしての自虐と愛嬌、そしてレースへの思いが凝縮されていた。
こうして、「ボートレース界における“38位ボディコン伝説”」が誕生した。
意図して始まったものではなかったかもしれないが、そこにあったのは紛れもない「ファンを楽しませようとする競艇選手の精神」であり、その思いが着実に「ボディコン風習」として根付いていったのである。
“ボディコン伝説”に終止符?
そんな38位ボディコンの風習に、一つの転機が訪れたのが第5回レディースオールスター。
終止符を打とうとしたのが"起源"を作った木村紗友希選手と同じ静岡支部所属の山下友貴選手である。

登場した彼女は、それまでの「ミス38位」の伝統に反し、ボディコンではなく普通の服で登場した。
その際のコメントが、
「ミス38位ですが、静岡で始まり、静岡で終わりたいと思います。」
これは、かつて38位ボディコンの先駆者である木村紗友希(同じく静岡支部)に敬意を表しつつ、自身の手でその流れを閉じるという、静かな決意表明とも言えるが、山下自身が嫌だったのかもしれないし、女子選手の中でボディコンという衣装に対する抵抗感があったのかもしれない。
その意志を代弁する形で登場スタイルを選んだのかもしれない。
こういう流れを切るのは勇気がいる事なので、競艇という真剣勝負の舞台で個人の尊厳を大切にした行動として、尊重すべき決断だったと言えるし、山下の宣言自体は全く否定はできない。ーーただ、ファンとしてはレディースオールスターの楽しみの一つとなっていただけに、ガッカリしたファンも多かったと思う。
まさかの“ボディコン復活”──競艇ファンの記憶に残る逆転劇
山下友貴の"普通の服"登場で一度は終焉を迎えたかに思われた「38位=ボディコン」の風習。
しかし、その流れに再び火を点けたのが、「第5回」で「ボデイコン」が終わった直後の第6回レディースオールスターの西岡成美選手である。
彼女はオープニングセレモニーで堂々と登場し、こう宣言した。
「ミス38位、降臨!」

競艇検証.comでも「競艇女子」で記事を書いた、あの「西岡成美」がまさか一回終わりそうな流れをまた復活させるとは。
会場は歓声に包まれた。
山下選手の勇気ある判断も記憶に新しいが、それに対して流れをもう一度巻き戻すという西岡選手の決断もまた、大きな意味を持つ。
この背景には、期待しているファンの応援やSNSなどでの期待感も大きく影響していたと考えられる。実際、この一件以降、38位枠の“伝統”は再び継承されている。
▶︎ 第7回:出口舞有子
出典:スポーツ報知
「みなさんの投票のおかげでこれを着ることができて光栄です。水面で目立てるようにがんばります」
▶︎ 第8回:柴田百恵
出典:BOATRACE G-REPORT
▶︎ 第9回:井上遥妃
出典:デイリースポーツ
いずれの選手も、ボディコンという衣装をユーモラスかつ前向きに捉え、「自分らしさ」と「ファンとの距離感」のバランスを取る表現手段として受け入れている印象を受ける。「デイリースポーツ」でも「ミス38位のコスチューム」と定着感ある表現がされているし、とりわけ出口選手のコメントには、単なるパフォーマンスを超えた“競艇文化の一部”としての成熟を感じさせた。
競艇という競技の枠を超えた“遊び心”と“エンターテインメント性”。それをどう活かすかは、選手それぞれの表現に委ねられているのかもしれない。
2025年、記念すべき第10回大会の“ミス38位”は?
節目となる第10回レディースオールスターにおいて、「ミス38位」に選出されたのは山田理央選手であった。

彼女はオープニングセレモニーでの登場にあたり、こうコメントしている。
「私、本気を出せばこんなにかわいくなれるA級なのに、なんでモンタ(=門田栞)より票が少ないの?」
この発言は、親しい後輩である門田をイジっているのもので、ファンを楽しませようとする意識がしっかり表れていたこうした発言にファンは盛り上がりを見せ、SNSなどでも好意的な反応が広がった。
むしろレースそのものとは別の文脈で、「誰がミス38位になるのか」を毎年楽しみにしているファンすら存在しているのが実情だ。
競艇界の“名物枠”!? 38位ボディコン文化の行方
このユニークな文化は、2017年の第1回大会から始まった。
競技そのものとは無関係な“風習”でありながら、ファンの注目を集め、レースとはまた違ったかたちでボートレースの魅力を広げてきた存在だ。
今やこれは、単なる余興ではなく、ある種のボートレース文化として定着しつつある。
とはいえ、「ボディコン」というスタイルに象徴される、女性に特定の服装を期待する「昭和的センス」は、令和の今となってはなかなか際どい。ジェンダー平等や多様性が重視される時代において、これをそのまま続けていくのは、なかなか“肝が据わった企画”と言えるかもしれない。
もちろん、ファンの期待やお祭り感として楽しまれてきた背景はあるが、すべての選手が歓迎しているとは限らず、「今後もこの風習を続けていけるのか」というテーマは、いつか声があがるだろう。
とはいえ──仮にこれが10年、20年と生き残ったなら、それはそれで競艇界における稀有な「伝統芸」として、ボートレース史に確実に刻まれるだろう。
ボートレースは「水上の真剣勝負」でありつつ、同時にファンとともに笑い、驚き、感動を分かち合うスポーツエンターテインメントでもある。こうした“ちょっとした演出”もまた、競艇文化の厚みを支えてきた要素の一つだと言っていい。
この風習が今後、どのように“発展”するのか──その行方にも引き続き注目していきたい。
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5/30には、またしても「モーニングパック」というプランで、芦屋3R(9.1倍)→芦屋7R(25.8倍)を的中させ、 17万 5440円の払戻しとなった(今回も見解が超スゴい!)。
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